6月のある日、従姉の息子H君が勤めるアパレルブランドM社のショップに行ってきました。彼はこの春から新卒で、こちらのショップスタッフとして勤務しています。
元々サッカー少年だった彼は、体育系大学出身ですが、好きなファッションの道を諦めきれず、同社を受け見事合格。
わずか2ヶ月で商品の扱いや言葉使いなど、なかなか堂に入っていましたが、新卒の未経験者にも関わらず、入社2週間足らずで結果を求められる厳しい世界でもあります。
M社と言えば高校生の頃、分不相応にもこちらのニットがどうしても欲しく、父親に頼み込み買ってもらったのを思い出します。
おかげでその頃の父のすねは、ごっそり陥没していたはずです。
久しぶりに入ったM社のショップ(メンズ)は、往年の高級感はそのままなのに、上代を見てビックリ!Tシャツやカジュアルシパンツ等は、裕に手の届くお値段。
失礼ながらひっくり返して見たらきれいな縫製、さては、、、と品質の所を見ると”日本製”とはっきり明記されています。
驚きは隠せませんがこれも時代のニーズ、ハイブランドと言えども、上代設定にメリハリは必要なのでしょう。
嬉しかったのが”日本製”の3文字、大手アパレルメーカの大半が、生産拠点を海外に置く中、この老舗アパレルは、日本の地場産業を支えてくれています。
全国に直営店があるとはいえ、それほどの大量生産では無いと推測する中、しっかりとした生地と縫製、凝った仕様のデザイン、これでこのお値段はエライ!!
これらの上代にする為の、工場側の努力も大きいと思います、双方が協力しながら”メイドインジャパン”を、なんとか守っていってもらいたいです。
(zakuraもチョー微力ながらその一端を担わせて頂きたい)
震災後のどん底にこの業界に入って来たH君、他のどの期の新卒より、スタート位置のコンディションは悪いけれど、力を付けるのにこれほどのチャンスも無い、体育会系の長所を生かし、ハードルをクリアーしていって欲しいです。
彼のようなガッツ有るファッション大好き若者がどんどんこの業界に入って来て、製品も人も優秀な”メイドインジャパン”が、再び増えていく事を願わずにはいられません。
*主に海外生産のメーカーを経営するRさん、ごめんね!
台風6号が四国地方をかすめている頃、福島にある工場さんに行ってきました。
ブランド立ち上げ当初からお付き合い頂いている、布帛の工場”めいふぁーすと”さんの下請けの工場さんです。
めいふぁーすとさんは、何件かの下請け工場と提携していて、それぞの工場さんの得意不得意、空き状況や数量を加味しながら、ブランドに合う工場さんを当て込んで行きます。
今回zakura 秋冬物を縫って下さるのが福島の室井縫製さん、ご夫婦お二人で切り盛りされていて、ロットが少ない事もあり、ご夫婦のみの手で仕立て上げられる室井さんでお世話になる事になりました。
めいふぁーすと社長の平井さんと葛西付近で待ち合わせ、車で高速を走らせ一路福島へ。最寄りのインターを降りほんの少し走ったら一面田園風景に。
この日福島県地方も台風の影響を受け、どんよりしていましたが、返って淡緑色の稲が鮮やかに際立って見えました。
室井さんは田んぼのすぐ先に在り、ご自宅横に縫製工場を併設しています。
お電話では何度かお話ししていましたが、お会いするのは今回が初めてで、お声とお顔が一致し妙に安心したのでした。
少量でも気持ちよく丁寧に縫って下さる人と現場を確認でき、台風を押してまで来て良かったと思いました。
室井さんは震災被害を免れましたが、近くでは全壊してしまったお宅もあったとか。それでも明るい笑顔と、青々とした稲を見ると逆に励まされたように感じました。
帰路途中、何度か前が見えないほどの激しい雨に遭いましたが、無事東京に戻ると、台風シャワーで洗い流されたのか、やけに輪郭のはっきりした小さな箱でぎっしり埋まったグレーな街が出迎えてくれました。
毎年七夕が近くなると、地元商店街の入り口に笹が掲げられ、自由に短冊を下げられるようになっています。
今年の短冊の数は異常でした、もはや笹は見えず細い茎は願い事を支えきれず、原型をとどめていません。
大きな天災のあった年、政治も経済も混乱し人々の不安もいまだ癒えてはいない、無理もなかろう、、、などと分かったような事を胸でつぶやきながら、表に見えている短冊のいくつかを読んでみると、、
”彼女ができますように”とか”胃が元気になりますように”とか”パチンコで10万円勝ちますように”とか(笹はパチンコ屋さんの目の前にある)他は家族の健康と幸せなどを祈る、いわゆる私利私欲が大半だったのです。
最初は釈然としませんでしたが、考えてみればこれが真実、正直な住人達だ、、と今度は感心したり。
中には”世界中の原発が無くなりますように”等という願いもありましたが、これは逆に白々しく感じてしまったりと、願い事の内容が気になった今年の七夕。
いずれにせよ無数の願い事が叶えられれば、太いパワーの束になる事は間違いありません。
年に一度、星に願い事をする風流な習わしが、これからも途絶えない事を祈りつつ、願わくば願いを叶えて頂きたい★
ちょっとカッコ付けていますかね。。
狭山ケ丘に在るセレクトショップ”志庵”さんと出会ったのは昨年4月。
ここ数年参加させて頂いている、合同展示会”アトラクションズ”で新規に出展されたメーカーさんのご紹介でした。
ご夫婦でお見えになり、サンプル一点一点をとても丁寧に見て下さって、立ち止まる度に個人名が次から次へ出てきて、全ての顧客様の好みとサイズを把握されているご様子、ピックアップした商品をそれぞれの顧客様に当てはめながらのバイイングが強く印象に残りました。
生産作業が一段落した七夕明け、志庵さんにお伺いする事になりました。
池袋から西武池袋線に乗り、狭山ケ丘駅を降り立つと正面に見える、モダンな複合ビルの一角に志庵さんは在りました。
志庵さんエントランス ドアを開けるのに少々勇気がいります
ウエルカムとは言いがたいエントランス、閉まっているのかと思えば店内にほのかな明かりが灯っています。
思い切ってドアを開けると、表の表情とは打って変わって明るい笑顔でオーナーご夫妻が迎えて下さいます。
”入りづらくて、出づらい店なんですよ♪”とさらっと言って退けるオーナーの曽根さん、自信が無くては言えない言葉です。
こだわりは半端ではなく、品揃えや見せ方等も徹底しています。
店内は節電とは無関係に照明がしぼられ、個性的なブランドの斬新なアイテムはそれほど主張し合わず、志庵さんの中で静かに調和していました。
わざわざ駆けつけて下さった顧客様のT様
この春夏物のチュニックワンピーと、ボトムもzakuraできめて来て下さいました♥
ランチを近くのイタリアンレストランでごちそうになりました、この日のAランチ”茄子と挽肉のパスタ”は絶品◎
運良く貸し切りの個室に案内され、しばしセレブリティーに♡
スタイリッシュで程よい緊張感を保つ曽根ワールド、横にいるだけでほぐされるヒロミさんとで絶妙なバランスを魅せる志庵さん。
一度はまったら、なかなか出て来られそうにありません。
ブティック、レストランの他パン屋や和菓子屋等、こだわり抜いた名店が点在する狭山ケ丘、、、、ディープです。
アトリエに戻ると、夕焼けで染まった絞り柄の空が出迎えてくれました♪
いつものように、地元の商店街にある、お気に入りの八百屋さんに向けて自転車を走らせていたら、こちらの親子とすれ違いました。
お母さんの着ているトップを見てビックリ!まぎれも無くzakuraのブラウスです。すぐにいつの物だったか思い出せず、アトリエに戻ってからHPで確認した所、2005春夏コレクションのものでした。
(実はHPにもこの雪玉プリントのシリーズの写真データがなく載っていないのですが、他のアイテムでこの時の物と判明)
入手経路は譲り受けた物か、ヤフオクか分かりませんが、6年が経過してもまだ着て下さっている方を目の当たりにし、しかも地元商店街での御対面にしばし立ちつくし、そのまま親子を見送ったのでした。
目まぐるしく変化している流行の中で、6年の後に生み出した過去のzakura に出会えるとは、なんとも醍醐味を感じた瞬間でもありました。
おしろいばな
買い物を済ませ、さっきの道を戻って行くと今度は懐かしい花を見つけました。
これは子供の頃、実の中に白い粉が入っていて、よく採っては遊んでいた白粉花(今となっては、あの粉を顔に塗る勇気はありません。。)
この花を見かけるたびに郷愁にかられます、この時期に花を咲かせる物だったんだ。。
さっきのお親子とすれ違いタイムスリップをしてしまったようでした。
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